アパレル・ファッション業界でECによる海外市場開拓の意欲が高まっている。これを支援する新たなサービスも次々登場している。特に、期待が高い中国向けでは、BtoC(企業対消費者取引)で中国トップシェアのアリババグループ、これに次ぐ京東集団がともに、国外企業による中国向けECサービスを強化しており、日本企業へのアプローチを強めている。
アリババグループは、国外企業の中国向けECサイト「天猫国際」(Tモールグローバル)に出店する日本企業などのショップで、メーカーが商品単位で出品・販売できる出品支援サービスを始めた。今春には日本企業向けに中国EC市場の情報を共有する研究会も開設する。
これまでも日本法人のアリババ(東京)がTモールグローバルへの出店を支援しているが、中国消費者のニーズに合わせた商品選定、流通チャネル設定など、商品単位のマーケティングを支援する「ジャパンMDセンター」を設け、アリババグループと日本法人が共同で運営する。
一方の京東集団は、海外商品専門モール「京東全球購」(JDワールドワイド)に日本製品専門サイト「日本館」を15年6月に開設した。京東が商品を買い取って販売する形態と、企業がサイトに出店する形態の二つのサービスを提供している。
中国全土を7カ所の直営物流センターと196の大型倉庫でカバーする自社物流網が強みだ。またスマートフォン向けチャットアプリ「微信」(ウィーチャット)のテンセントと業務資本提携し、スマホからのアクセスを増やしている。
2月にはJDワールドワイドの日本市場責任者が来日し、NHNテコラス主催のセミナーで、ベビー用品・化粧品・食品などを中心に商品カテゴリーを広げ、まだメジャーでないブランドも提供する考えを明らかにした。