クロスカンパニーは11日、ラフォーレ原宿5階のレディス店「イーハイフンワールドギャラリー・ボンボン」を改装オープンした。新たにタレントの中村里砂さんを総合プロデューサーに迎え、コンセプトや商品テイストを一新。当日は雑誌『ラルム』などでモデルとしても活躍する中村さん本人が来店するとあって、開店前にファンなど200人超が行列を作った。
同業態は13年にスタート。個性的な世界を特徴に、ラフォーレ1店のみで運営してきた。新生ボンボンは、ダークロマンティックをテーマに内装から商品企画まで、中村さんのセンスを反映。商品はピンク、黒、白を基調とし、セーラー襟のブラウスやキルティングスカートをはじめ、サテン、レース、チュールを使った商品も多い。ワンピースで1万~1万4000円中心。
当日は、ガーリーでロマンティックなファッションの20代女性が多く来店。1万円以上購入したお客は、先着限定で中村さんと写真撮影ができたため、「朝7時から並んだ。ラルムも読んでいるし、彼女の大ファン」と話す女性客もいた。
■話題拡散させ、夜にECで
多店舗展開を主力とする同社が、ニッチで濃い客層を対象にした店を強化するのはなぜか。開店に立ち会った石川康晴社長はボンボンについて、「リアル店は原宿のこの一店だけ。ここでブランドのフィロソフィーを発信し、あとは自社などのECサイトで全国に向けて販売する」モデルと説明し、全国出店で規模を追求する既存ブランドとのハイブリッドでビジネスを進める考えだという。
こうした狙いから、ボンボンは初日の盛況ぶりをSNS(交流サイト)にアップし、話題を拡散させた上で同日の夜10時にECもリニューアルスタートさせた。中国でも、「上海か北京に1店と、Tモールのような大手ECサイトでの販売」を構想中という。リアル店とECの関係性が業界の関心事となるなか、今後の小売業各社の出店戦略が注目される。
クロスC「ボンボン」改装、大行列
2016/02/12 11:23 更新