香港、新タイプの施設続々

2016/02/10 10:30 更新


 香港で新しいタイプの商業施設が注目されている。エリアはアンティークショップやギャラリーが多く集まるセントラルのソーホー。歴史的建造物をリノベーションした複合施設で、香港の若手デザイナーやライフスタイル型のショップを数多く誘致、積極的にイベントを行う点が特徴だ。先駆けたのは、14年4月にオープンしたPMQ。旧警察宿舎が、インキュベーション機能を持った施設として生まれ変わった。16年末には、旧警察署やビクトリア刑務所だった場所に商業施設「大館」が誕生する予定だ。


 香港は、高級ブランドを集めたモール型の商業施設が集積する。あらゆるブランドが揃い、差別化が難しくなった今、開発業者が力を入れるのが「時間消費型」の施設作りだ。「いかに客を呼び込み、滞在時間を伸ばすか」が課題となっている。


 PMQには香港の若手デザイナーを中心に、ファッションからプロダクトまで他の商業施設には出ていないクリエーティブなブランドが店を構える。日本発では「ファウンドムジ」やABCクッキングスタジオなどが出店。カフェや休憩スペースも充実し、ゆっくり過ごせる工夫が光る。ショップだけでなくコワーキングスペースやイベントスペースも備え、開業からの入館者数は500万人を超えた。


 大館はPMQよりも大規模な施設となる予定。建築は東京のプラダ青山店などを手掛けたスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン。施設内のツアーやアートの展覧会、ワークショップなども開催し、ユニークな経験を提供する。香港の不動産会社クリック不動産のアラン・リー董事は「PMQのように他のモールとは違う、感性豊かな商業施設になると期待されている」と話す。

PMQ



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