ファーストリテイリング 海外ユニクロをさらに拡大

2018/07/17 06:29 更新


 ファーストリテイリングは、ユニクロの海外事業を引き続き拡大する。好調の中国、アジアに加え、欧州での好立地への出店とECの拡大で収益性を高める。北米も来期の黒字化に向け体制を強化した。国内ユニクロは、第4四半期(6~8月)の商売をてこ入れする。ジーユーは、ユニクロで進めている働き方改革「有明プロジェクト」を本格導入し、収益回復を図る。

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 17年9月~18年5月の連結業績は増収増益。海外ユニクロ事業が大幅に伸び、国内ユニクロも既存店売り上げの増収で粗利益率が上昇した。ジーユーは苦戦した。春夏のキャンペーン商品不発と、品番を増やしたにもかかわらず、売れ筋商品は欠品が発生し、収益性が低下した。

 通期(18年8月期)で売上収益2兆円超えの増収増益を見込む。来期以降も事業規模を拡大するため、主力事業で収益力強化に向けた施策を講じる。

 海外ユニクロは、収益をけん引する中国、韓国、東南アジア・オセアニアを重視する。岡﨑健グループ上席執行役員CFO(最高財務責任者)は「アジアの中産階級の人口の爆発的増加がいずれ来る。成長を享受できるよう、他社よりも強い基盤を作っておく」とする。

 欧州は「賃料の高さはあるが利益を生みつつ、ブランド力向上につながる店舗を増やし、ECも拡大する」。来期の黒字化を目指す北米はアメリカ東海岸に加え、西海岸にも本部機能を設置し、地域特性に合わせた品揃えと店舗運営を強化する。

 国内のユニクロ事業は、5、6月の既存店売り上げが前年割れで、7月も西日本の豪雨などで計画を下回っている。「天候不順の影響もあるが、5月末の感謝祭以降、集客につながる情報発信が不十分だった。コンテンツを強化し、それを伝えるメディアも広げる」ことで、収益性の低下が例年起きる6~8月の商売を活性化する。

 ジーユーは、ユニクロと同様、チーム全体で情報共有し、客のニーズを迅速につかみ、商品企画や生産、販売計画に反映できる体制を強化する。「品番数を絞り、マストレンドのど真ん中で勝負し、マーケティングをきっちりやる」ことで、業績回復を図る考えだ。




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