春節(中華圏の旧正月)商戦が始まった。中国は7~13日が大型連休。観光庁によると、15年の訪日中国人は499万人(前年比107%増)、買い物の消費額は8089億円と過去最高を記録。1人当たりの買い物代は16万円で、全国籍・地域の平均7万円を比較すると、購買力は突出している。百貨店各社は需要を取り込むべく、インバウンド(訪日外国人)対応を拡充している。
外国人客に特化、またはそれに近い形の売り場のオープンが目立つ。三越銀座店は空港型市中免税店、大丸大阪・心斎橋店は「オンワードJブリッジ」をこのほど開設した。
三越の空港型免税店は消費税以外の諸税も免税し、商品の引き渡しは空港で行う。化粧品やラグジュアリーのほか、日本の伝統工芸品や工業製品を販売する。商品の在庫は空港近辺ではなく店内にストックし、客の目の前で袋に詰めて空港に送ることを基本にする。「実際に見て触った商品そのものが欲しい」というニーズに応えるためで、コストはかかるが百貨店の安心感、おもてなしを優先した。
大丸が導入したオンワードJブリッジは、オンワードホールディングスとラオックスによる「未来型免税ストア」。日本製のファッションを打ち出し、春夏から真冬まで多様な季節感の商材を揃えることで海外ニーズに応える。